安倍政権になって以降、労働組合と政治のかかわりを考える機会が増えました。全印総連は、政党支持の自由を方針にし、いわゆる組合組織内議員もいません。しかし、連合などの組合では、特定政党支持を方針にし、組織内候補の具体的支援や機関決定としての支持を打ち出している場合があります。
労働組合の方針は、組合員の政党支持の自由や政党からの独立が大前提ですが、連合では、この前提はありません。また、組合員の政党支持を打ち出している組合でも、組合役員の言動が、個人なのか組合代表者の言動なのか、判断しにくい場合があります。
よく、「政治と宗教の話は、しない方が良い」などと言われ、職場の中でも同じような不文律があります。しかし、この暗黙の前提には、「批判する」という態度・対応があるように思います。すると、批判された側には、不快感が残り、「もう、この話はいいよ」との対応になってしまいます。
私たちは、本当に政治や宗教のことを日常の生活の中で語り合っているでしょうか。ともすれば、選挙時期のみの政治論議が蔓延しています。選挙闘争のための政治論議ではなく、政治をもっと身近なものにする論議が必要になっています。政治は、私たちの生活や職場、仕事と無関係ではありません。それどころか、密接な関係にあります。
労働法制は、職場の仕事と直結していますし、戦争法は、言論や表現の自由と関わり、平和を生業にしている印刷出版産業と密接にかかわっています。政治と距離を置く、政治的中立を貫くのも一つの選択肢ですが、私たちの生活と権利、平和と民主主義を守るために、どう政治と向き合うか、2016年、改めて問い直したいと思います。
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